モグラ帝国の地下

掌編倉庫/どんどん降りていくんだよ
(ついブログパーツを貼りたくなって貼りました。邪魔でしょうか。2007/01/25)
モグラスパイ
モグラの一匹が私の監視役に雇われました。
間諜モグ号は、毎日報告書をタイプしています。
忠モグ・モグ公(ペット予定)は、実はペットの振りをしたスパイでした。
全くうまく化けたものです。
私の心内をモグ公が想像して「私」の一人称で書いています。


私の書いた文ってエキセントリックってよく言われるの。


あーいきなりこう来たか。


『でも、キミのエキセントリックな個性がもっとも生かされるのは、小説ではなく教育関係者へのインタヴューによる耽美ドキュメンタリーだと思うな』馬鹿男がそんなことを言ったのでちょっとむかついてるの。馬鹿男に私の深遠なエキセントリシティーが理解できるわけないじゃん。


上記発言をした男性はやはり教育関係者へのインタヴューによる耽美ドキュメンタリーのプロデューサーなんでしょうか。エキセントリシティーって言葉はあるんでしょうか。
モグ公はクラーク・ノヴァ・タイプライターに向かってモグモグ言っています。


私にとって私以外の全人類はモグラ並みだって言うことをあいつらに思い知らせたいのよ。ああでも、モグラの國にいれば、いつか王子様がモグラ馬車でやってきて、私のナルシシズムを死ぬほど満足させるわ。
王子様はニック・ケイヴに少し似ているの。ちょっとイヤな王子だな。
モグウッド・バビロンのトップニュースになって、
王子様は新婚三日目で死んでしまいます。
ああそれは、豪華クルーザーの薔薇の花でいっぱいの船室で、王子は私の小説を朗読し、彼は私の甘美で戦慄すべき文章の数々を朗読しているうちにその内に潜む毒に取り憑かれて死んでしまうよ。そして私はモグラ刑務所に入れられる。
刑務所に引きずられていく私は、長いドレスを身に纏い、毅然としています。エリザベート・バートリが城の一室に監禁される瞬間もかくやという有様です。詰めかけた報道陣のフラッシュがバシバシ焚かれます。私は、伝説の謎めいた女として語り継がれるのでした。
ああでも城の外にはカフカがうろついているわ。
助けを求めましょう。
私は閉じ込められた塔の中で伸びた長く美しい髪を小窓から地上に垂らします。吊りじゃなくて釣りですわね。



私は、モグ公が打ち終わってタイプから飛び出した紙を拾っては読みます。


おほほ、釣れますか天守夫人
釣るなら私の自我とかですかね。
まあ、諸星大二郎先生の太公望みたいなことをおっしゃいますこと。『無面目・太公望伝』収録。


三千世界の烏を殺し焚書坑儒をしてみたい。


私がモグ公に「お座り」「待て」「お手」をさせたら、一度ペット化されたモグ公はパブロフのモグのようにお手をしました。
ぬへっぬへっと小狡く笑います。
私はモグ公の首輪を掴み、モグ公をガシガシ殴りました。動物虐待小説がやりたいって前から言ってたでしょう。手近にある武器になりそうなもの。鉛筆削り器とか、ホーローの灰皿とかで、モグ公の短い毛に覆われたモグっと堅い締まった肉を殴りつけるのが楽しくなってきて、やばい。
動物虐待小説は良くても、リアルで虐待してはいけない。

私は人道的にモグラと対話して問い質そうとします。
「ペットのモグラの振りをしているのモグラよ」(モグ公のリポートの中でドレスを着ていたのが気に入ったので、嗜虐的な西洋貴婦人の心持ちになってみます)「汝の雇い主は誰ぞ」
ですが、モグ公はすっかりペットに戻り、散歩に行こうと言います。
さんぽにいくのめんどーだな。

−−−
もちろんこれは、あまりに失礼ではあるが、
原作ウィリアム・バロウズ/監督デヴィッド・クローネンバーグの映画『裸のランチ』に霊感を受けて書きました。
映画版の、頭の中の迷路を歩くような感じがかなり好きだ。
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モグラ帝国から虹の橋へ
ところで、

私はモグラ帝国の隅でぼーっとしています。ふと、いいことを思いつきました。

ペットを飼うのです! 

ペットは当然モグラです。地底にはサンショーウオなどもいますが、私は哺乳類が好きです。それにしても、どこがどうなっているのかさっぱりわかりませんが近代化しつつあるらしきモグラ社会で、モグラをペットにしていいのでしょうか。
自由モグ権運動の闘士モグ山モグ権の非業の死が思いだされます。
モグ山モグ権はモグ権のために戦ったけど抹消され忘れ去られ後に続く者も無し、だから
『モグ権』というものはまだ存在しないんでしょう。
私は可愛いmyモグラに素敵な首輪をさせ、ヒモで繋いで散歩して「お手」や「お座り」をさせることを想像しました。なんかいいかもです。
忠実なモグ公(ああ、もう名前が決まってるよ)は、私の危険に際して身を挺し、モグラ坂を駆け上り、敵モグラにモグラシャベルで必死の一撃を加え、無数の銃剣に身を貫かれながら、かなしそうな褒めて欲しそうな目で私をなつかしげに見るでありましょう。
そのような大事はなくとも、私が人間界に戻ってしまったら、地下帝国と人間界の境界で、忠実なモグ公はじっと私を待ち、餓死するまで座り続け、忠モグ・モグ公として銅像になり参拝客は皆、モグ公の愛らしい心持ちを思って涙を流すのです。

このモグ公像は、植民地の現地妻みたいな感じである。何か自分にはペットというものに対する誤解がある気がする。日常を一緒に楽しむのがペットだろう。しかしモグラ帝国に日常はない。ハレもないがケもない。何もない。
ペットにするにはオスがいいかな? メスがいいかな?
ペット用の可愛い子モグラはどっから入手すればいいんだ。

わたしは先日、人間の人から聞いた『虹の橋』というインターネットで流布されている、著作者不明らしきお話を思いだした。この『虹の橋』のお話は有名なのだろうか。皆様ご存じでしょうか? 元は英語らしい。
著作者はわかんねー……、虹の橋の話を載せているサイトも著作者不明としてあって、引用していいのやらどうやらもわからないので、興味のある方は『虹の橋』あるいは「rainbow bridge」で検索してみて下さい。
私が読んだ『虹の橋』のお話の梗概はこんな感じでした。


ペットにされていた動物は亡くなった後も、虹の橋のたもとにある、
暖かくて日が良く当たって、安全で食べ物もいっぱいある土地で
暮らしています。平和で幸せな毎日ですが、ペット動物たちは何か物足りないなーと思っています。そうです、彼らは生前の飼い主を待っているのです。
ああ! 飼い主が来ました。そして犬は、猫は、鳥は、フェレット、その他色々は、あなたと一緒に虹の橋を渡っていくのです。

(ちなみにペットを飼っていなかった人間が、生前人間のせいで悲惨な目に遭った動物と虹の橋のたもとで絆を結ぶという別パターンも見かけた)


思いだして書きながらも何か涙がボロボロ垂れてきます。流れよわが涙、と警官も言っています。いやマジで、ありえねーーよ、と思いつつも、泣き系情感感受部分の敏感な部分を露骨に突かれます。
この話の出所に対する興味はありますが、それを書くにはそれなりの調査が必要だと思いますのでパスします。
で、私は私を虹の橋の前で待っている私のペットのモグ公を想像してみたりしますが、想像はどんどん逸れていきます。ああ、ペットじゃなくて、以前書いた小説の登場人物が待っていたら嫌だなあ。ずっと彼/彼女の小説内での取り扱いにねちねちと文句を言われ、逆に彼/彼女が私を、悪意をぶちまぶして書いたりするのだ。

ペットが待っているのが虹の橋の設定だろう。家畜は待っているんだろうか。よくわからない。

というわけで、私は虹の橋の前に来ました。お日様が当たる草原に色んな動物がいます。太い虹の前の草原ではセイタカアワダチソウとハルシオンが満開です。その辺に猫大好きフリスキーが落ちています。
ずっと昔に私の替わりに爆殺された
懐かしいモグ公が、すっかり元の元気な姿に戻り、虹の橋のたもとで、モグモグと私に手を振っています。
私は虹の橋の橋脚に向かって走りだしました。
橋の側まで来ると、その下は滝になっていました。お日様の光で輝きつつ巨大な水の壁がごうごうと流れ落ちていたのです。虹の橋はこの滝からすっくと伸びていました。
その瀑布で、すべての猫が豆腐を洗っています。滝の水流に豆腐が千切れて、猫爪の跡を残し、滝壺に消えていきます。
私はモグ公のリードを引っ張り、『虹の橋』に登り用の簡易な鉄階段を昇りました。虹の橋は、絹ごし豆腐に七色の人工着色料を混ぜた建材で、ところどころ「ゆば」だった。
私が虹の橋を踏むと、ずぶずぶと、

そしてまた地下の議事洞で、モグラ議長が私に死刑を宣告しました。
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カフカの国のアリス
妹の長女、つまり私の姪に半年ぶりくらいに会うことになった。姪は一歳とちょっとである。絵本を読んで聞かせてあげることにし、妹の許可が下りたので(許可制なのだ)、私は近所の本屋の絵本コーナーをしげしげと見ていた。
この計画は、姪にお話を楽しむ習慣があったらそのほうが人生楽しいだろう、しかしお話を楽しむのみならず、のめり込んで私のような元・暗黒耽美派文学少女になってはマズイ、そういう矛盾を孕んでいるのだった。
大人でも絵本を楽しんでいる方はたくさんいるが、そういう人は絵が好きなのだと思う。私は絵にあまり興味がないので、絵本コーナーを物色するなどという機会は久しぶりである。今回買う絵本の条件は次のようなものだった。
姪は、まだ感受性やら審美基準やらが育っている最中だから、絵本は良書であるべきだ。できれば何百年と残ってきたお話が良い。
語り継がれ、書き継がれてきた話は、まあ時の施政者の意向で奨励されたり焚書されたりしたにしても、残るだけのことはあるはずだ。つまらない話なら世代を重ねるうちに書いたり話したりしなくなるだろう。新しく作られた話はもう少し大きくなってからのほうがいいんじゃないだろうか。
で、
『竹取物語』絵・宇野亜喜良という本を発見。
……かぐや姫がサイケですよ。かっこいいけど、乳幼児にこの絵でいいんだろうか。
『竹取物語』は微妙だ。日本最古の物語文学らしいから、年月に堪えてきた物語という意味ではベストだが、姪が、かぐや姫を自分になぞらえ、月から迎えが来ないと激怒したりしても困る。
結局、面倒になって自分用の文庫本を買い、『愛の流刑地』(凄い題だなあ。。)が平積みになった店を出た。

taketori.jpg



頭痛と肩こりが酷く、頭がぼうっとしているくせに、本当にどうでも良いくだらない考えが浮かんで浮かんで止まらず苦しい。こういう勝手に浮かんでくる考えは、書き留めればとりあえず外に出て行く感がある。書いてしまえばもう考えなくて済むことを経験的に知っている、ので書くことにする。そうしてからもう少しマシなことを考えよう。

絵本→童話
といえば、童話に分類していいのかわからないが、
『不思議の国のアリス』が例えばゴシックロリータな方に大変人気があったりするようだが、それはテニエルのヴィクトリアンでややダークな挿絵にも大きな功績があるように思える。
私もアリスのイメージはやはり挿絵で浮かんでくる。
で、ここから先は心底くだらない思いつきである。
---挿絵がなければ『アリス』とカフカの『審判』は似ている。
相似点→
+主人公がいきなりルールのわからない世界に投げ出される。
+カフカの作の不条理で不安な状況の舞台に安住している、その世界の下っ端たちは対やグループになっていて双子だったり双子みたいだったりする。
ハンプティダンプティっぽくないか。全然違うか?

というわけで何か似ているのだった。
そんな共通点とも言えない共通点を取り出して似ていることにしてしまえば、世に似ているものは山のようにあるじゃんか……だが、この主張とも言えない主張を書いているのは、その『主張』の正当さを証明するつもりではまったくない。ただこの考えが私の脳内を巡って離れなくて苦しいので書いて落ち着くことが目的なのだった。このブログはゴミ捨て場みたいですね。

だから、アリスファンで、『鏡の国のアリス』も読んでしまい、もっとアリスの話が読みたいという人は、カフカの審判とか城とかをパソコンに取り込んでテキストデータにして、エディタで『ヨーゼフ・K』とか『K』とかを全部『アリス』に置換すれば良いのだ。ただし個人で楽しむだけにしておく。

ヨーゼフ・Kが刺されて、

「犬のようだ!」と彼は言い、恥辱だけが生き残ってゆくようだった。

--辻 王星(漢字が出ない。『王』扁に『星』で一字。)訳・岩波文庫


この場面をアリスバージョンにして、

「犬のようだわ!」と刺されたアリスは切り裂かれ伸びたり縮んだりしながら言いました。……


これでは児童虐待である。アリスが可哀相なので、やはりヨーゼフ・Kに死んで貰おう。

「犬のようだ!」刺されながらKが言うと、天地の生命にあまねく慈悲を垂れんと激しく欲する、早すぎたエコロジスト・第五代将軍徳川綱吉が現れ、烈火の如く悲憤慷慨しつつヨーゼフ・Kに訓戒した。
「犬をそこもとの如き悲惨な目に遭わせようとは言語道断である。あまたの禽獣の中でも、犬は天下の至宝なり」
ヨーゼフ・Kは、ようやく、この不条理ワールドを仕切る最高権力者に会うことが出来たので血をぽたぽた垂らしながら喜んだ。そして今までどんなルールを破って逮捕されたのか全くわからないことが不満であったのだが、綱吉公は、法律書である御成敗式目をあっさり読ませてくれた。

(何か時代が違う気がする)
(想像の中では、時間も空間も無関係なのよ、ハニー)

ヨーゼフ・Kは改心し、犬を侮辱するのを止め、綱吉公と犬屋敷に出かけ、仔犬ちゃんまみれになり楽しい一日を過ごした。
その後、ヨーゼフ・Kは、学問に熱心な綱吉公の薦めで朱子学を修め、綱吉公に良く仕え、毎朝犬の散歩をした後、学問所で講義を行うようになった。
それでも前に刺された傷が癒えず、ヨーゼフ・Kは、たくさんの犬と弟子、それに日本で娶った妻と子に囲まれ、病床にあった。綱吉公が心配して駆けつけた。「おお、Kよ。城に正式に招待しようと考えておった矢先に」畳に涙がぽたりと落ちた。
士は己を知る者のために死すと言う。しかしヨーゼフ・Kの考えていることは時々わからないです。
ヨーゼフ・Kは、弟子の一人に命じて、病室の障子を開けさせた。濡れ縁の向こうの水色の空に、光り輝く孔子様が浮かび、おいで、と手招きをした。

---
というような愚にもつかないことを考え続けて私は大変苦しかった。
だがまだ、ヨーゼフ・Kの辞世の句を代作しなくてはならないのだった。
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自由モグ権運動
モグラ帝国近代化政策実施に当たって、
私は何だか怪しいお雇い外国人のような立場に立たされていた。
だが、私は単に人間であるという点に於いてモグラと違うだけで、モグラ近代政府の政策立案や、富モグ強兵や殖産興業にすぐに役立つような知識があるわけではない。
まあ、モグラ帝国のモグ民たちに義務教育をするとかいうので、私は毎日、子モグラたちを集めたモグ小屋で、自分が昔学校で習ったことを思い出し思い出し、教えたりしています。教育とは有り難いものですな。前が丸で、後ろが四角い墓を前方後円墳といいます、とか。しかしモグラの寿命は短く、義務教育は三日で終了するので充分な知識伝達が行われているとは言えない。
これではいけません。
殖産興業に役立つかと思って、
私は、子モグラたちに美少女フィギュアの作り方を教えようとしました。
モグラ洞窟の土(粘土は豊富です)を取ってきて、
原型を作り、それにカブトムシの幼虫を檸檬絞り器で絞って体液を集め、離型材になるように丁寧に塗ります。その上から湿った腐葉土をびっしり張り込みます。腐葉土が乾いたところで二つに割って、原型を取り出し、腐葉土型を作るのです。で、出来た腐葉土型に粘土を入れれば、美少女フィギュアが量産できます。
モグ子屋で一番美術の得意なモグ太くんが、かなりの美少女原型を作りました。美少女の洋服は鳥毛立ち屏風女みたいですがゴシックなスカートがちょっとひらっとしています。スカートの中を覗くと、ぷりぷりしたモグラ臀部がモグモグしていてセクシーです。
私はモグ太くんの才能を激賞し、モグ小屋の子モグラたちに、では量産しましょうと指示しました。モグ太くんはちょっと照れています。
腐葉土型を外していったら、ハニワが次々と出てきました。
型から抜くと萌え美少女はみんなハニワになります。型が悪いのでしょうが改良案なんか考えるの面倒くさいので厭です。
これ輸出するの? どこに? 誰が欲しがるんだ?
原型だけモグ太くんのoriginalとして高く売れば良かったかもしれませんが、

it's been 25 years since you had an original thought in your head.
---by Mr.Luke Haines'song "the heritage rock revolution" from album"Off My Rocker At the Art School Bop"


君たちが脳内でoriginalだと考えていることは25年前から存在している
翻訳by間瀬

(この曲のアレンジはワイルドなロックである。この曲は、ヘインズ氏が「君たちがoriginalだと考え」一生懸命、一年とか掛けて無い知恵を振り絞って作った曲のパロディを自分が5分で作ってやった、ということなのか?
 と、私は受け取ったのだが、制作者が実際に考えていることなど端からはわかりません)

どっちにしろモグラは25年も生きない。
天才原型師の名をほしいままにした(しかし作品は全ていつの間にかハニワになってしまう)モグ太くんも年老いて死んでしまいました。前方後円墳に彼の作ったハニワに囲まれて、埋葬されたモグ太くんもいつの間にか忘れられていました。
16代目モグラ議長が言います。
「**さん、私はこの美しいモグラ帝国を豊かな地底の王道楽土とするために生涯を費やす覚悟でおります。そのために是非あなたの人間としてのお力をお借りしたい」で、モグラ議長はモグラシャベルを突き出し、私と固く握手し、一週間後に(日時はモグラ陰陽寮のモグラ阿部一族が我が身を犠牲にして計っています)、17代目モグラ議長がやってきて「**さん、我が帝国の近代化のため、あなたをお雇い外国人に任命します」
「またですか」
私はうんざりしました。16代目モグラ議長もどーせ死にました。
新モグラ議長は、お礼はたくさんいたします。と言います。
経済and文化どっちも貧乏国家が、外国人にあげられるものといえば、国内でしか通用しない急造の名誉と権威だけです。鍾乳洞ホールの七色の鍾乳石:地獄茸の上で、わたしのモグタ川モグ之介賞授賞式が華やかに行われました。
もう、モグ木賞もノーベルモグラ賞もモグラ星雲賞もモーグー賞andモビュラ賞もジェイムズ・モグトリー・Jr賞も500回くらい貰ったからもういいです。
むなしい。

地下アーケイド街の露店で売っているのは干からびたミミズとかなんですが、
ジュエリー・モグラでは、錆びた缶コーヒーのリングプルとかが売っていて、若いモグップルが結婚指輪にして幸せそうに笑っています。こいつらはモグラ特権階級です。

突然、アーケイドが爆発し、地下の町は大騒ぎになりました。
やがて自由モグ権運動の先鋭的闘士モグ山モグ権が逮捕されました。
さあ拷問です! 思想弾圧です!
打ち捨てられた地下室を改造したモグラ警察の寒々しい取調室で、
モグ山モグ権はありとあらゆる残虐行為を! 
といいたいんだが、モグラに考えつく拷問だから、体毛を一本一本むしっていくだけです。黒い丸目を理想に燃やしたモグ山モグ権を、モグ憲巡査たちが取り囲み、秘密書類の在処を吐け! とか怒鳴りつつ、一生懸命体毛をむしろうとしていますがモグラシャベルではうまく毛が掴めません。
私は政府に雇われたお雇い外国人なので言いました。
拷問方法にももう少しいいのがありますよ、三角モグ馬とかですねー。

モグ山モグ権は獄中死しました。
辞世の句です。

搾取され地底の隅で泣くモグの自由への声を今こそぞきけ

何か結構それっぽいですな。

モグ山モグ権のアジトからは秘密書類……人間界から極秘輸入されたモグラ民権家たちのバイブル
『自由自在にハッピーになる素敵な言霊操作術♪』
が見つかりました。
言霊を本気で信じ尊重するなら、言霊なんて言葉を軽々しく使うなよ。と思いました。

むなしい。
そしてまた18代目モグラ議長が胸を張ってやってきます。
命短い人類に混じって、長い時を渡っていった『ポーの一族』のエドガーとアランとか、バンパイアレスタトとかも、こんな気分であっただろうか。
違うような気がする。
むなしい。

つうか鎖国しろよ。
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はたらく猫ちゃん「手術室猫」
わたしの部屋には
「思いついたことをメモするノート」があり、
それに、は、
あまりにくだらないことばかりが書かれてあった。
2006年10月
「ボリス・ヴィアンのうたかたの日々」しか読んではいけない世になり、
他の本は全て禁書。焚書坑儒哉。
昔の読書人が「論語」とかを熟読していた時のごとく、
『うたかたの日々』に、
宇宙も人生も究極の道も、すべてがこの一冊に隠されていると信じられ、
何もかも読み解こうと、
必死で彼の本を読みふける向学心に燃えたお洒落な人たち。

『日々の泡」
のタイトルでの別訳もあるが、どちらが良いかは知りません。わたしは『うたかたの日々』のタイトルのほうを読んだ。
岡崎京子の漫画化作。『うたかたの日々』

2006年10月
そして『はたらく猫ちゃん』(または搾取される猫ちゃん)
部分麻酔手術の患者さんを接待する猫のこと。

役割:
1.患者さんの緊張をほぐす
2.患者さんの無聊を慰める。
3.患者さんの生きとし生ける物体への潜在的愛情を呼び覚まし、
 自然治癒力を高める。
4.時々、外科医に蹴られる。
5.患者さんの血や摘出された患部が餌。
6.非常時には臓器を取られる。

手術室の隅には猫トイレと猫の草が。
猫アレルギーとか衛生状態とか無視。

区立***病院勤務 山下Dr.談
『いやー、マタタビを詰まらせた患者さんが来た時は大変でしたね』

手術後、患者さんも医療スタッフも退室の後、
暗闇に取り残されにゃーにゃー泣く手術室づき猫。
手術室は清潔で、捕まえて遊ぶネズミもいない。

手術室いかでか猫の慰まむ とらへて殺す ねずみだになし

バカねこも賢しきねこも血を吐きぬ 動物虐待小説がやりたいのか我

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↓以下二行は、有名な偉い人が作った和歌にインスパイアされたらしい。が。

心なきねこもあはれは知られけり 実験体なき秋の手術室大セール

見渡せば放射能はあるのかな ねこ手術室の秋の夕暮れ

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手術室 排水口は ねこ帝国に つながらむ 
ねこ楽園と なりぬれば 千匹のアジを食ひなましものを

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ああ
では、またしばらくネットから転がり落ちています。
ごきげんよう。
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